天然塗料・内装材


天然塗料・内装材として

天然塗料の柿渋

柿渋は化学物質を含まず、又化学物質を一切使用しませんので地球環境に優しい天然塗料と言えます。

日本の伝統的な塗料といえば漆が有名ですが、高価なために一般的な塗料とは言えず、庶民の間では昔から柿渋塗料が用いられてきました。

戦後はワニスやオイルペイントなどが一般的となり、殆ど使用されなくなってしまいましたが、最近では自然志向の住宅造りが脚光を浴び、天然素材の塗料として注目を集め始めています。特に天然内装材として人気があります。

尚、外装に使用する場合には、環境によってはメンテナンスが必要になってきますので、あまりお勧めしておりません。

柿渋の色

柿渋の色は基本的に茶系色で、他の色はありません。そこで昔からべんがら、松煙などの顔料を混ぜて着色して使用されてきました。

顔料も鉱物系など天然のものでないと離反して使用できません。柿渋は天然素材でないと受け付けない性格があります。

人と地球に優しい自然素材塗料の柿渋をお試しください。以下、簡単に使用方法を説明しております。

 

柿渋塗装・塗装回数毎に濃くなります 柿渋塗装の内装(天井部分)

 

柿渋塗装

①サンドぺーパーを掛ける

柿渋を塗る前にサンドペーパーを掛け素地を整えて下さい。 ペーパーは180番位の荒い物をお勧めします。 木の汚れやニス等の他の仕上げ材が付着している場合には十分に落としてから塗って下さい。又、古材に使用する場合にも同様な処理が必要です。

 

②木目に沿って柿渋を塗る

柿渋は木目に沿って一定方向に塗って下さい。 刷毛は水性塗料用を使用して下さい。 刷毛は使用後直ぐ十分水洗いしてください。又、布で刷り込むようにして塗って頂くと多少光沢感があり効果が増すようです。

 

③布でふき取る

柿渋を塗り終わると表面に気泡が出来たりムラがあったりしますので、その様な場合には布で軽くふき取って下さい。その後は自然乾燥させて下さい。直射日光に当たるとより早く発色します。

④使用量の目安

材質によって多少異なりますが、1Lで10平米を1回塗ることが出来ます。回数を重ねることに色は濃くなりますし、時間と共にゆっくりと発色しますので、連続して塗るよりも暫く時間をおいてから次回塗るようにして下さい。一般的には2~3回塗りをお勧めします。

天然塗料柿渋の塗装後の注意点

十分に乾燥固着する前に水に濡れた状態で放置しないで下さい。十二分に固着すれば、水に溶け出すことはありません。

外装に使用する場合には環境によってはメンテナンスが必要な場合があります。直射日光に当たってより発色しますので、恒常的に日の当たる部分と当たらない部分で色差が出る場合があります。

 

左:桐材白木 右:柿渋塗り 桐材柿渋塗りCDケース 籐作品にも柿渋を塗りました

取り扱い注意点

天然内装材として柿渋が活躍

最近では天然素材の内装材が各方面から注目を集めておりますが、天然塗料の柿渋も又、特に内装材として見直されています。

 

天井・梁・壁板・腰板・床・フローリング・ドア窓枠などの様々な部分に使用されています。又、標準品の柿渋には独特の悪臭がありますので、内装材として使用すると臭いが抜けるまでに半月ほど時間が掛かり、作業性が悪くて不評でした。

無臭柿渋には全く臭いがありませんので、作業効率が良く使い易いと大変に好評です。木の素材とマッチする自然の色で、和の空間造りにも一役買っています。

 

 柿渋内装 (彦根市N氏邸)

 柿渋塗り木製室内ドア (株)ガデリウス提供