柿渋染と媒染剤

一般的な草木染めと異なり、基本的に柿渋は媒染剤なしで染色することが出来ます。 又、染着性も良いので色止めも必要ありません。 但し、急速な酸化による発色を防ぐ意味で、ソーダ灰等で、弱アルカリ処理を行う場合もあります。

以下に媒染について簡単に説明します。

代表的な媒染剤

1)鉄(木搾酸鉄・二硫化参鉄)

柿渋は鉄に反応して黒く変化します。 その性質を利用して色の変化が楽しめます。 柿渋染の濃度と媒染剤の濃度によって、灰色からダークブラウン・黒色までを表現できます。

2)チタン

柿渋はチタンに反応すると黄色からオレンジ系の色合いに変化します。

3)ソーダ灰

柿渋はソーダ灰の濃度により色合いが変化します。 後処理として使用する場合には余り濃度を上げにように注意する必要があります。 又、この性質を利用すれば、色の変化が楽しめます。

その他、草木染めで媒染剤として使用される、銅・アルミ等には殆ど反応を示しません。

媒染方法

柿渋の媒染方法は、一般の草木染めと異なり最後の仕上げの段階で使用します。 勿論、途中媒染して色の変化を出してから、更に上から柿渋染を行えば、又独特の色合いになる場合もあります。 又、媒染剤の組み合わせでも思わぬ色合いを経験することが出来ますので、色々と試されても面白いかと思います。

まだまだ研究されていない部分が多いですので、思わぬ物に反応して変わった色合いになることも考えられますので、 色々と試してみても面白いと思います。


柿渋染パッチワーク風コ−スター